給付型奨学金でオーストラリア大学院留学を実現!おすすめ財団と合格体験談

オーストラリアへの留学を検討している方に向けて、奨学金について解説します。特に、大学院(マスター)留学を目指す方を対象としていますが、アメリカやヨーロッパへの留学を考えている方にも役立つ情報となるはずです。ぜひ参考にしてください。

狙うべきは給付型奨学金

 前回の記事では、オーストラリア留学には約1,150万円が必要であることをまとめました。(前回の記事は、こちらからお読みください。)

私は大学院卒業後、フリーターとして働いていたため、貯金はほとんどありませんでした。また、両親も定年を迎えていたため、1,000万円以上の留学費用を自力で賄うのは不可能でした。そこで目を向けたのが奨学金です。

奨学金には「貸与型」と「給付型」の2種類がありますが、狙うべきは返済不要の「給付型奨学金」です。貸与型は実質的に借金ですが、給付型は返済の必要がありません。ただし、給付型奨学金を得るためには、厳しい選考を突破しなければなりません。

応募にあたっては、志望動機書、研究計画書、大学の成績証明書などを準備する必要があります。また、多くの奨学金では、書類選考を通過した後に面接が行われます。

私の友人の中には、「大学時代のGPAが低いから」「研究経験がないから」と、最初から諦めてしまった人もいました。しかし、応募しなければ合格の可能性はゼロです。確かに、留学する学科がコースワーク中心で研究が課されない場合もあります。そのなかで、奨学金のためだけに、研究計画書を作成する必要も出てくるでしょう。私自身も研究が必須でない専攻に留学しましたが、留学資金を何としてでも賄うために応募資格がある奨学金にはすべて応募しました。

私が応募した奨学金

私の場合2月入学だったので、それも考慮しながら以下の奨学金を視野に入れて準備しました。少しでも可能性のある奨学金はすべて受けたつもりです。

  • 伊藤国際教育交流財団 (定員:10名程度)
    留学国の制限なし。学費が年間最大300万円支給され、さらに「月額US1500~2000ドル相当」が支給されます。したがって、学費最大600万円と毎月23~30万円の生活費が支給されます。合計で約1,200万円の奨学金となるため、留学資金のほとんどを賄うことができるでしょう。ここは狙いたい奨学金の一つです。
  • 中島平和財団奨学金 (2024年度参考:20名)
    留学国制限なし。月額30万円プラス往復分の渡航費が支給される。2年間で720万円。留学費用がすべてカバーされるわけではありませんが、60%程度はカバーされます。
  • KDDI財団日本人留学助成 (定員:4名程度)
    留学国制限なし。毎月25万円支給、最長2年間で600万円支給。これは、各大学を通して応募するため、指定大学の大学院に在籍している必要があります。すでに卒業している場合は、応募資格がないなので、受けられません。
  • JASSO海外留学支援制度 (2024年参考:179名)
    留学国の制限なし。2024年度の支給金額の目安は毎月15万4,000円~35万6,000円。2年間で約360万円~850万円の支給となります。また、渡航費として16万円が支給されます。ただし、注意点として「1学期目の採用年度(4月~翌年3月)において新たに始まる学年の授業開始日から支援が開始」とあるため、2月入学の場合、2年目からの支給になります。
  • 重田教育財団 (定員5名)
    留学国制限なし。毎月20万円、2年間で480万円の奨学金。こちらは、経済的に留学費用を払うことが困難であることを証明する必要があります。したがって、家族全員の収入と自分の収入証明を提出する必要があります。研究計画の提出不要。
  • カナエ奨学金 (定員2名)
    留学国制限なし。一名につき100万円支給。金額的には少ないですが、留学費用の多少の足しになります。他の奨学金とも併用できるので、応募する価値はあります。また、研究計画書の提出も不要なので、応募しやすいかと思います。

以下は、検討したものの、受けなかった奨学金です。

  • CWAJ海外留学大学院女子奨学金
    留学国の制限なし、女性が対象。授業が英語で行われることが条件。受給期間は1年間で合計300万円。応募者は秋の出願時から2月の面接時まで日本に在住している必要があります。私はそもそも2月入学だったので応募できませんでした。

奨学金の結果

私は、6つの奨学金に応募し、伊藤国際教育交流財団、KDDI、JASSO(書類審査通過後、面接辞退)に合格しました。以下、合否結果です。

✅ 伊藤国際教育交流財団:合格
❌ 中島平和財団奨学金:書類審査不合格
✅ KDDI財団日本人留学助成:合格(伊藤財団合格のため辞退)
✅ JASSO海外留学支援制度:書類審査合格(伊藤財団合格のため面接辞退)
❌ 重田教育財団:書類審査不合格
❌ カナエ奨学金:書類審査不合格

伊藤国際教育交流財団を最も狙っていたので、書類審査と面接に合格できたときはとても嬉しかったです。奨学金は「全落ち覚悟+合格できなければ留学を諦めるつもり」で受けたので、逆に受かったことに驚きました。KDDIとJASSOは、合格したものの伊藤財団が併用不可だったので、辞退しました。

応募してみた感想

6つの奨学金を受けてみて、志望動機や留学計画書、推薦状の準備など、書類の準備に時間がかかった印象です。特に推薦状の準備は面倒で、卒論の指導教員や大学院時代にお世話になった先生にコンタクトを取り、様式の説明や書いてもらう内容をメールでやり取りしたり、印鑑をいただいたりと、大変でした。特に、一度大学を離れて社会人になっている身としては、わざわざ連絡を取るのは気が引けました。しかし、一度書いてもらえば他の奨学金にも使えるため、汎用性はあります。また、留学計画書や志望理由書も、内容を少し変えて他の奨学金に使い回すことができるので、一つ目の奨学金に応募すれば、2つ目、3つ目以降はあまり時間をかけずに作成することができました。

応募した中で一番面倒だったのは、伊藤国際教育交流財団でした。他の財団はタイピングで書類作成が可能でしたが、伊藤財団の応募書類は全て手書きです。事前にWordで下書きしてから、応募用紙に清書する必要がありました。また、清書する際は、文字の大きさを調整しながら指定の原稿用紙に収めるように気を付ける必要がありました。7,000字ほどの量を手書きで書いたので、とても手が疲れました。多くの人がこの時点で諦めてしまうため、伊藤財団としては手書きにすることで応募者数を減らしているのではないかと感じました。

逆に、あまり手間がかからなかった奨学金は、重田教育財団とカナエ奨学金でした。どちらも研究計画書が必要ないため、コースワーク中心の学科に留学される方にはおすすめです。留学先で何を学びたいかや自己PRが中心で、細かい研究計画を書く必要はありませんでした。

最後に….とにかく応募することが大事!

以上、給付型の奨学金について解説しました。記事でも強調しましたが、とにかく諦めずに応募することが大事です。多くの奨学金は、留学先で研究することを前提に応募書類の提出を求めてきます。しかし、コースワーク中心の学科であっても、奨学金に応募することはできます。私がその例です。卒論で行った研究をベースに発展させたり、留学先で学ぶ分野での課題を研究計画書に盛り込むことも可能です。応募しなければ何も始まりません。ダメ元でも、ぜひ応募しましょう!

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